研究内容 |
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動物の行動やその進化に幅広く興味をもっています。なかでも、生き物が食物や巣材などのモノをあやつる物体操作行動と、鳥などの動物による渡り行動に関心をもって研究を行なってきました。
1.手のない生き物による物体操作
鳥や虫などさまざまな生き物が日常的に食べ物や巣材などの物体を操作しています。「操作」というと複雑に聞こえますが、大きな食べ物を切り分けたり、皮に包まれた果実を取り出したり、卵を保温することができる巣を作ったりといった行動は、動物にとって身近で、生存や繁殖のために大切な意義をもっています。
鳥類や昆虫は、私たちのような手を持っていません。でもくちばしやあごなど身体の他の部位を使って、食べ物を調達したり巣を作ったり、上手に物体操作をこなしています。私は、こうした手のない動物による物体操作と、物体操作の物理的・認知的メカニズム、それらが物体操作行動の進化に与える影響に関心をもって研究しています(Sheard et al. 2023 Philos Trans R Soc B; Sugasawa et al. 2021 Proc Roy Soc B)。
2.渡り
毎年、数十億もの動物が繁殖地と越冬地などの間を行き来する大移動を行なっています。遠く離れた二地点を結ぶ経路は無数にあるなかで、どうして動物はある決まった経路を選んで渡っていくのでしょうか。私は、おもにアジア地域の猛禽類に関心を持って渡り行動を研究しています (Sugasawa & Higuchi 2019 Biol Lett)。
経歴 |
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